正規分布に近いのかを検討してみよう。
 ここでは、正規分布の特徴から、分布が左右対称であること、平均から標準偏差σ以内に68%が分布し、平均から2σ、3σ以内には95%、99.7%分布するという特徴について実際に調べた分布を調査してみよう。
 正規分布に当てはまるのかを検定する方法としてはカイ二乗検定やKolmogorov-Smirnovの検定がありますが、この授業では扱いません。興味があれば成書を見てください。
 第1回の宿題の例である、ウズラの体重の度数分布について、正規分布に当てはまっているかを検討します。下のようなヒストグラムを得ました。平均は84.4g、標準偏差は6.12gでした。
1.まず最初に分布が左右対称であるかを調べます。分布が左右対称ということは平均とメジアンが一致すること、すなわち平均値より大きい値も小さい値も同じ数存在することを示します。平均84.4g、メジアン84.5gなのでほとんど同じです。さらに平均より多い値は506個、小さい値は494個あります。このことからほぼこの分布は左右対称であるといえます。
2.次に平均から標準偏差σ以内のデータの数が全体の68%ぐらいになるかを調べましょう。平均が84.43g、標準偏差が6.12gなので、78.31〜90.55gの間にあるデータの数を数えます。683個のデータがその範囲にありました。したがって、全部で1000個のデータなので、68.3%が平均から標準偏差σ以内にあります。正規分布の特徴を持つ分布であるといえるでしょう。
3.さらに平均から2σ以内、3σ以内にどれだけ分布するかを調べると、それぞれ95.4%、99.5%が分布しています。したがって、正規分布なら平均から2σ以内に95%、3σ以内に99.7%分布しますので、この分布は正規分布にほとんど一致すると考えてよいことになります。
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